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よもやま話6船形学園の男の子

お花畑で、空に浮かぶ風船を見つめる男の子

画の打ち合わせで船形学園を訪問したのは10年前です。初対面の園長先生にお会いするので、緊張して待っていました。

しばらくして、せわしく会議室に入られた先生は、普段着のお父さんのような方で、満面の笑みを向けて、挨拶をして下さいました。 「この学園は、様々な事情を抱き、親元を離れている子供達の共同生活の場、家庭なんです」

そして封筒から1枚の絵をお出しになり、「やさしい笑顔でしょう」 そこには、可愛い少女の横顔が清々しい淡い色調で描かれてました。 「こんな絵を描いて下さい」

船形は房総半島の館山湾にある、小さな漁港の町です。実業界では著明な澁澤栄一氏の別荘地がありました。病気の戦災孤児の療養所として提供されたのが、今日の船形学園だそうです。親に去られ、孤独と飢えで不安な子供達が、この家で癒され力強い支えを受けて成長し、飛び発った事でしょう。

会議室のすみで動きまわっている小さな男の子がいました。だんだん近くに寄ってきましたので園長先生は 「君も興味があるかい?こっちにおいで」 とおっしゃいました。するとその子は私のひざに小さな手を置き、笑ってくれました。

私は内心好かれたかなと思い、嬉しい気分でした。 「新入園児は、どこも自由に行き来させてます。住野さんが、気に入った様ですね」

打ち合わせが終わり外に出ると、目の前に真白な空に真青な海。私の頬にさわやかな風が通り過ぎました。 まん中の男の子が主役です、風船を手放してしまい、高く飛んでいく先を目で追いかけていると、きれいで大きな空に気がつき、泣きたい気持ちを忘れてしまう、そんな絵が描けました。

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