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よもやま話7谷内六郎氏の傑作

谷内六郎氏の描く女の子のモザイク

潮社ビル増築工事にあたり、谷内六郎氏の絵が玄関に取り付けられる事になりました。

新潮社の社長の一番のお気に入りの「なかなか、どかない」と聞かされ、私はとても興奮したのを今でも、思い出します。 谷内氏の作品の中でも、特に一番の傑作と評価されています。

その作品をガラスモザイクで複製させてもらえる事に私は胸を弾ませていました。ひょっとして原画が見られるかも? その期待のほうが大きいかったかもしれません。 当日は密かに白手袋とルーペを鞄に、新潮社の応接間で対面させていただきました。

小さな茶色のボール紙に油絵の具で描かれてました。ボール紙には油がしみ込み、絵の具が下地から何ケ所も剥がれて、細かい亀裂が無数に見えます。

柔らかい筆で何度も塗り重ねたのでしょうか、筆の毛が緑色の絵の具に混じり、偶然でしょうか、意図的だったのでしょうか、それらの悪いと思われる状況にもかかわらず、凄いのです。見事なんです。完璧な草の表現になっているのです。

どうしても少女の絵が原画の印象に近寄らず、納得できませんでした。その制作に何日も費やした事を、今だに忘れる事がありません。

この絵は谷内六郎氏が、新潮社の社長に見い出されたきっかけの作品で、大変な貧乏の中、少しばかりの絵の具しかもてない時に、お描きになった絵のようです。

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