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よもやま話20壁画の写真を撮る旅3(しあわせの村「リハ・神戸」)

かりんの額絵

ノ宮駅前よりバスで25分、しあわせの村につきました。「リハ・神戸」は高齢の身体不自由な患者さんのリハビリセンターとして4年前に完成しました。

「療養室の入り口に番号の表示をやめ、印象に残る表示をしたいのです。全室30室あります、今回は壁画をやめてその予算内で、住野さん、何か考えてください」と担当者より電話がありました。

さっそく自然をテーマに、虹、雲、海、星と考ました。別案に、花の漢字名に、例えば桜でしたら、一部花びらに置き換え、装飾文字にデザインを施し提出しました。

しばらくして、「お花にします」と30種の花の名前が送られて来ました。まともに、花をモザイクで創ろうとすれば1点に3日〜5日間はかかってしまいます。手間をかけないように、シンプルなタッチで30点の花の絵をデッサンせねばなりません。

とにかく絵を描かねば! 応援に、花の絵の上手なデザイナーで、親友の福島まき子さんに助けていただきました。また私のモザイクの師匠の大先輩方に良策はないかしらと相談しました。

「この様な時は、頭を下げまくり、予算内でこなすしかないじゃない」と先輩の一言に元気を出し、「もちろん断るなんて、もったいない精神」でやってきた私は、苦肉の策をとりました。

額縁は上品で丈夫に作り、手間のかかる文字を「木の切り文字」と決めておけばなんとか見られるだろうと考えました。特に額縁は無理を承知で、知り合いの方に頭を下げまわり、助けていただきました。

制作に総勢8人。昼間の作業を終えてから、制作をしてくださった方。初めてモザイクを創る方。中には「こんなやり方は不満だ。もっと手間代を」と怒る方……。

それでも創って納めなければなりません。「1点いくらしか払えません、何とかお願いします」と頭を下げやっと完成にいたりました。

沢山の花々のなかに花梨の実がありました。最初「どうして花梨がリストに?」と思っておりました。 写真を撮り終えて外に出ると、たくさんの花梨の実をつけた木立が。となりのレストランは「花梨」とあります。

花梨の花はかわいく小粒です。熟した実はいつまでも、心地よい香りを放ちます。思わず口にしますと、硬く、渋く、苦く、飲み込むことができません。

しかし他の素材と組み合わせますと、様々な効果を発揮します。花梨の香を思い出しながら、「来て良かったなあ」と、しあわせの村を後にしました。

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