ホーム > モザイクよもやま話3 > 23:昭和の町青梅に来て
私の育った町には、大きく長いアーケード商店街があります。 子供のころ、父の給料日の後には、そのアーケード商店街へよく家族で出かけていました。別に買いものが目的でなく、散歩をするのです。
アーケードは、月末になるとにぎやかになります。売り出し中のビラをピエロが踊りながらくばり、きれいな着物を着たちんどん屋さんが太鼓と鐘を軽快なリズムにあわせて、町を活気づけとても楽しく面白いからです。
また私には、もう一つの楽しみがありました。アーケードのほぼ真ん中に位置する映画館の大きな看板の絵が見られるからです。
絵本もテレビもない時代、看板の写実的な絵が流行の情報源だった気がします。 快傑黒頭巾の大きな顔が写真のように描かれたのを見て、ちいさな弟にせがまれなんとか頭巾を見よう見まねで風呂敷でこしらえててあげた事が鮮明に思い出されます。
そんな思い出がタイムスリップして私の目の前にあらわれたのは、古いたたずまいの町・青梅の「昭和レトロ商品博物館」にやってきた時でした。町には昔なつかしい映画館の看板がアートギャラリーのように展示されてます、黒頭巾の誕生の地でもあったのです。
「昭和レトロ商品博物館の隣に『赤塚不二夫会館』を新設します。その玄関入り口にモザイクをしたいのです」という依頼でした。
デジタルだ、高層ビル建設だ、という流れに追いつけない私は、この案に飛びつきました。
青梅に昭和の町を作り続ける方々に魅せられてしまった私は、「即参加させてください。赤塚不二夫さんのマンガは、私の青春の愛読書でした!」
ホーム > モザイクよもやま話3 > 23:昭和の町青梅に来て