ホーム > モザイクよもやま話3 > 28:実業家になりたかった

よもやま話28実業家になりたかった……

モザイクの表札

わりに多くのはモザイク作家がいますが、法人で建築許可を持って活動するのは多分私の会社ぐらいだと思います。

建築許可は私にとって、男社会の建築業界で活動するためにも大切な条件でもあります。

ちなみに私の父は大手建設会社に勤めていました。小学生の頃毎年夏休みには、ダム工事で家に帰れない父に会うため、山深い工事現場へ家族で行ってました。 何回目かの夏休み、父の待つ現場へ行くと目の前に大きく広がるコンクリートの壁が表れました。

どこからか「おーいくみこ」と聞こえます。見上げるとコンクリートの上から手を振る人がいます。ビックリするほど小さい人のシルエット。両サイドの自然に囲まれた中にそびえ立つ真っ白な壁が眩しくて、はっきりと見えないのですが、父の姿と確認しました。

私はものすごい感動を胸に覚えました。 母方の親戚に財界で活躍する叔父がいて、彼は多くの会社を経営し、また父の会社の顧問でもありました。 典型的な日本家屋で大谷石の倉のある広いお屋敷に住んでいて、その家は私の家の50倍もの広さでした。

叔父はお正月には多くの芸人を集め、きれいな着物を着た女性をはべらしていました。日本舞踊を優美に踊らされる少女、つぎから次へと新年に挨拶に訪れるお客様……。

その中で着物の裾がすり切れるほど走りまわって働く叔母を見て私は10歳で自分の将来を決めていました。 「女は嫁に行って幸せをつかむのだ」と言われる度に男の傍若無人を抗議しました。

すると「それがいやなら手に職をつけろ!」と言われていました。 男のように夢を持ち、何人もの人をつかい商売をしよう。稼げば料理、洗濯をせずにすむし、まわりの女達のようにめそめそしなくても生きていけるだろうと思いました。

私は小学生の頃に、実業家になるか、建築家になるか迷っていたのです。

ホーム > モザイクよもやま話3 > 28:実業家になりたかった

モザイクのご注文・補修は当社にお任せ下さい!
(株)日本モザイク 〒142-0062 東京都品川区小山2-9-23 03-3787-1055
Copyright (c) 2002-2009 Nihon Mosaic All rights reserved.