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絵の世界に飛び込んで今日までに使用してきた道具の数々を振り返ると、その履歴にため息がでます。
私が初めて油絵の具のフルセットを手にしたのは、小学6年生の時でした。父が単身赴任先で絵を描いていましたので、私は絵の具のにおいに魅せられました。イーゼルに向う父のそばで、食い入るようにしている私に、「描くか」と筆を渡されたのがきっかけです。
東京に戻った父に渋谷のウエマツ絵の具店に連れて行かれ、絵の具、筆3本、溶き油に油壺を買い、父のお古の絵の具箱に収めてくれました。
木箱に厚い皮の肩かけが付き、手でぶら下げる取っ手つきでした。みごとに区切られた収納スペースがうれしく、何度もふたの開け閉めを楽しみました。
絵画教室など無い頃です。画集でさえ、身近にありません。頼りの父はダム工事で遠い山の中。私は我流で描いていました。
人に見せることもなく、ゴッホも知らない私でした。後に美大受験するなど夢にも思わず、キャンバスでなく、板きれにせっせと描きました。趣味は油絵と言えるのが自慢でした。
そして次に出会ったのはポスターカラー水性絵の具だったのです。
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