ホーム > モザイクよもやま話5 > 42:商売道具-1「ポスターカラー」
美大時代、デパートの案内板を制作する会社のアルバイト先でポスターカラーの達人に出会いました。
竹のものさしに溝があります。手に持つのは面相筆にガラス棒。物差しの溝にガラス棒の丸い部分を走らせ、ケント紙に筆で均一の線を引きます。
TOILETのアウトラインをガラスひきで描き、中は平筆で塗ります。しかも筆のタッチを残しません。印刷と変わらない出来あがりです。
感心している私に社長さんは 「簡単なことだ、努力すればじきに慣れるよ」とおっしゃいました。 「自信ありませんが興味あります」と返答。 「やってみるか。そのかわりバイト代は半分だ、半人前だから」 「???、しかし交通費だけはつけてください。」
採用された私は夕方の4時から夜10時の仕事をいただきました。面相筆、ガラス棒、カラス口、ポスターカラーの色調合、レタリングのデザイン、雲型定規、シルク印刷、案内表示の取り付けを先輩方に伝授してもらいました。
私はトンボをうつだけで文字を書く技を身につけ、文字のデザインはデッサンから始める事を達人たちから教わったのです。
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